できる事をやるしかない

アラフォー妻子持ち医師のなんとなく思っている事

医療現場にいると感じる事

少し前に麻生さんの発言が記事になりました。

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人の健康や命にかかわる話はデリケートで、良い人ぶった回答をしないとたたかれる事が多いように感じますが・・・。この件に関しては麻生さんの考えに同調します。お国の役人さんたちがほかに税金の無駄遣いをしておいて、医療費に関してだけ無駄遣いはもったいないとはどういう了見か!と反対意見も多いようですが、麻生さんの言っていること自体は妥当なんじゃないでしょうか。

 

食べすぎ、飲みすぎ、肥満、喫煙、運動不足など、おそらく誰もが「体にわるいな」と感じていることを、「頑張って改善した人」と「わかっていてもそのままにしてしまった人」が同じ税金を納め、同じ医療費を払うのはなんだか割に合わない感じがします。

 

「頑張って改善した人」は病気になりづらく、病院でも当然あまりお目にかかりません。「わかっていてもそのままにしてしまった人」は病院で治療を始めても、上手くいかないケースが少なくありません。薬は飲むけど自分の習慣は変えられない(食べすぎ、飲みすぎなどがやめられない、運動が続かない)など。薬を服用した分は良くなるかもしれませんが、本来は、薬が無くても大丈夫なように自分を変えることが治療の本体であるべきです。

 

患者さん本人が頑張ったかどうかを誰か(おそらく医療者)が判断するのは難しいですが、今後、医療費がかさんでもうどうにも面倒見切れないとなった時に患者さんをふるいにかける事は起こりうると感じます。

 

どの病気にも大体治療目標というのがあります。血圧をいくつ以下にさげましょうとか、コレステロールはいくつ以下にしましょうとか。これは誰もが経験したであろう、入学試験に似ていると感じます。

頑張って勉強した人は希望した学校へ進学する権利を得て、努力が及ばなかった人は権利を失います。健康管理や病気の治療はどうでしょうか。頑張った人も頑張らなかった人も同じ権利があるのでしょうか。

仕事や家庭環境、もろもろの事情で思うように自己管理できない事もあるでしょう。でも「頑張って改善した人」が恵まれた環境だっとも限りません。自分の健康のために努力する、そうした人たちをサポートするというのが健全な医療の在り方だと感じています。

 

ちなみに自分はジョギングを続けて体型維持に努めています。