できる事をやるしかない

アラフォー妻子持ち医師のなんとなく思っている事

どうして運動をしなくなった?

みなさんは今の生活で運動されてますか?

 

私は週に2−3日、たかだか10km走る程度のジョガーで、食べることと飲むことを我慢しないで体型維持するというわがままを叶えるためにジョギングしています。たかだかこの程度の運動でもなんとか目的は果たせています。

 

おまけの効果ですが、走ると頭と気分がスッキリします。走りはじめには仕事でのトラブル、近いうちに済ませないといけない面倒な用事など色々考えているのですが、そのうちだんだんと頭が空っぽになって足を動かす、息を整える、ペースを保つことだけに集中するようになり、最後には不思議とほとんどの考え事が「まぁ、なんとかなるか」と思えるのです。

 

 

健康と、より良い毎日のために、皆さんに運動を強くお勧めします。
今、高血圧、糖尿病、肥満などはどれも1000万人以上の患者さんがいると言われ、これら生活習慣病脳梗塞心筋梗塞、その他多くの病気の火種になります。運動をすればこれらを患う確率は下げられます。

 

それは分かっている、運動するかしないかならした方がいいに決まっている。
ですが、学校や仕事、家事や育児、忙しい毎日の中で、運動の時間はどうしても後回し、先送り、優先順位としては低くなってしまう方が多いのではないでしょうか?

 学校の勉強や仕事、家事育児には今日、今やらないといけない事が多く時間がない。少なくとも、今日運動しなくても、明日困ることはない、そういう生活の方がほとんどでしょう。

 

ですが、運動はもっと生活の中で重視しなければいけない活動だと思います。今、当たり前に思っている毎日は、健康でなければ体が丈夫でなければ急に失われてしまうかもしれないのです。

 

 

自分がいつ運動しなくなったのか振り返ってみると中学校でした。

 

学校にあがるまでは時間があれば外に内に動き回って遊んでいたと思います。

 

小学校では担任の先生が「1年間で校庭何周できる?」という目標を立ててくれたおかげで、暑い日も寒い日も「走るのってツラいなぁ」と思いながらも、学校につくと毎朝走ってました。小学生が純粋だからでしょうか、担任の先生が生徒をノせるのがうまかったのでしょうか、クラス中が朝はとりあえず走る雰囲気になっていて、やらない疎外感、罪悪感があってツラくても走っていました。もちろん、自分がたくさん走れた、早く走れるようになったという充足感もありました。

 

中学校に上がって、吹奏楽部に入った後からは体育の授業以外では運動をしなくなりました。吹奏楽では基礎体力、肺活量などは大事だと習いましたが、体力トレーニングをしても演奏が上手になる実感がなく、楽器の練習には時間を割きましたが運動はだんだんと疎かになっていきました。

中学生活後半以降は次第に進学、受験に重きをおくようになり、当然のように生活から運動の時間は無くなっていきました。

 

高校、大学とすっかり運動することはなくなり、医師になっても運動の機会はありませんでした。運動しなくても困らなかったですし、勉強すればテストの成績はよくなる、知識が増えれば仕事が捗る、勉強に時間を割いた方が利益を感じられることが多かったからです。

 

同じようにして学生生活、社会人生活の中で、運動をしても得した感じがしない、勉強や仕事は自分の利益になた感じがする、そんな価値観に変わっていった方は多いのではないでしょうか?

 

子供が大きくなる過程で、運動することがもっと褒められればこの価値観は変わるのではないかと思います。中学生、高校生のころ運動をしていて褒められることってありましたか?県内、全国でトップレベルの成績を出せるほどの人でなければ、運動は評価されないのではないでしょうか。多くの運動部も最終学年の夏ぐらいには引退して、受験勉強。部活の成績で推薦がもらえて進学できる人はほんの一握りで、結局は勉強が評価される学生時代だったと思うのです。

 

 

運動と健康は切っても切れない関係です。運動せずに健康でいられる人はほとんどいないはずです。病気はしないまでも、運動している人のほうが体力はあるはずです。
多くの人は生まれた時から健康で、運動をしてもしなくても若い時にはそれなりに健康でいられます。だから、若くて健康なときには「健康のために運動しよう」とは思わず、勉強、仕事を優先してしまうのでしょう。
年を取るにつれて、運動していなかった人は健康を損ないやすくなり、運動していた人は健康でいられる可能性が高くなります。健康を損なってから運動を始めようと心を入れ替えても、後遺症が残っているかもしれませんし、そもそも健康を取り戻すことは簡単ではありません。

 

 

私は医者になって酒の量が多くなり、結構太りました。そして仕事が多忙になって、酒を飲む暇もない時期に10kgくらい痩せて今の体重になりました。流石に10kg痩せると着ているもののサイズも合わなくなり全て買い替えることになり、もうこのサイズをまた変えることのない様にしようと思い運動をはじめました。きっかけは偶然でしたが、おかげで40才近い今でもそれなりに健康を維持しています。日々病気を抱える方と接していると、健康であることは非常に恵まれたことだと感じます。

 

高齢化社会と呼ばれるようになり、何となく70歳、80歳まで生きるのが当たり前に感じると思いますが、長生きしている人はそれなりに健康を維持できる生活をしています。健康に良いことをせず、健康に悪いことをしている人はまだ人生これからという時に病気をしたり体調を崩して、描いていた生活が続けられなくなります。

 

是非当たり前だと思っている健康のありがたみを考え、健康の維持には欠かせない運動の大切さを感じてほしいのです。