できる事をやるしかない

アラフォー妻子持ち医師のなんとなく思っている事

「◯◯は体に良い」より大事なこと。

「◯◯が体に良い」

と冠された記事やテレビ番組、多いですよね。

 

「玉ねぎで血液がサラサラになるって聞いたので、一生懸命食べてます」

「ヨーグルトって免疫力が強くなるんですか?」

など、日常生活で体に良さそうなことが診察室で話題になります。

 

私はテレビをあまり見ないので、知らないことを聞いてはなんとなくネットで調べてみる程度の知識しかないのですが、新しく出てくる健康に関する話題は「嘘ではない」程度に感じます。

 

玉ねぎにはアリシンという物質が含まれていて抗酸化作用により動脈硬化が予防できる、血栓症を起こしにくくなるとか、ヨーグルトを食べるといわゆる善玉菌の働きで免疫力が高まる、というのは事実だと思います。

 

ですが「動脈硬化を起こしにくくする、血栓症を起こしにくくする」ことに関してまず重要なのは、運動、適正体重の維持、血圧を適正に保つ、コレステロールを目標値に収めておく、たばこは吸わない、など極めて一般的なことです。

 

「免疫力を高めること」に関しても、基礎代謝を高める(運動する、入浴で体を温める)とか、自律神経を刺激する(規則正しい生活、運動)など、いわゆる健康的な生活が大前提です。

 

 

生活習慣病の治療中に、まだ十分体重も減っていないのにヨーグルトをいっぱい食べたり、あまり運動しないのに玉ねぎばっかり食べても、おそらく大した効果はないだろうと思います(そういう研究があるかどうかはわかりませんが)。

 

「◯◯は体に良い」

という話の多くは、大前提である運動、体重、血圧、コレステロール、たばこなどの、最低限必要な健康管理ができている人が、さらに健康を追求したい時には役にたつかもしれません。

学校のテストで言えば
まずは合格点を取ること=最低限の健康管理ができていること
できるだけ満点に近づく勉強をすること=玉ねぎとかヨーグルトとかを意識して食べること

なんだろうと思います。

 

「◯◯は体に良い」

と言われるものをとれば他はどうでもいい、というわけではありません。赤身肉に良質な蛋白が、青魚には良質な脂肪が、それぞれの食材にそれぞれの良い栄養が含まれているので、バランスよく食べればいいのだと思います。

 

結局のところ、変に意識しないで、それなりに普通の食事、生活をするのが健康にはいいのだと思います。もし「普通の食事って?」「普通の生活って?」というのがわからないのであれば、それはしっかり勉強する必要があると思います。